研究支援等 91
4-6 理科教育への協力
4-6-1 スーパーサイエンスハイスクール
分子科学研究所は平成14年度以来文部科学省が推進してきた「スーパーサイエンスハイスクール事業」に岡崎高 校を支援する形で協力してきた。この事業は昨年度で一旦終了したが,岡崎高校は継続事業として平成19年度より 始まる S S H 事業に応募し,この提案が文部科学省より採択された。分子科学研究所も引き続きこの事業を支援して いくことに合意した。具体的には永田准教授および中村准教授が下記のテーマで岡崎高校のスーパーサイエンス部活 動を支援している。
(1) 化学班の実験指導,およびプレゼンテーション指導。
研究テーマは「三層系を用いた光合成型電子移動反応の観察」「フェロインを用いた化学振動」など。 (2) 物理班の実験指導。
研究テーマは「超伝導体YBCO(YBa2Cu3O7–x) の作成と高温超伝導実験」など。
4-6-2 国研セミナー
このセミナーは,岡崎3機関と岡崎南ロータリークラブとの交流事業の一つとして行われているもので,岡崎市内 の小・中学校の理科教員を対象として,岡崎3機関の研究教育職員が講師となって1985(昭和60)年12月から始 まり,毎年行われている。
分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。
回 開催日 テーマ 講 師
2 1986. 1.18 分子研の紹介 諸熊 奎治 教 授
3 1986. 6. 7
シンクロトロン放射とは
(加速器・分光器・測定器の見学)
渡邊 誠 助教授 春日 俊夫 助教授 6 1986.10. 4 人類は元素をいかに利用してきたか 齋藤 一夫 教 授
9 1987. 6.13 レーザーの応用について 吉原經太郎 教 授
12 1987. 9.26 コンピュータで探る分子の世界 柏木 浩 助教授 15 1988. 7. 2 目で見る低温実験・発光現象と光酸化現象 木村 克美 教 授
18 1988.10.29 人工光合成とは何か 坂田 忠良 助教授
21 1989. 6.24 星間分子と水—生命を育む分子環境— 西 信之 助教授 24 1989.10.21 常温での超伝導は実現できるか 那須奎一郎 助教授 27 1990. 6.23
目で見る結晶の生成と溶解
—計算機による実験(ビデオ)—
大瀧 仁志 教 授
30 1990.10.20 電気と化学 井口 洋夫 所 長
33 1991. 6.22
自己秩序形成の分子科学
—分子はどのようにしてリズムやパターンを作り出すか—
花崎 一郎 教 授 37 1991.12.14 からだと酸素,そしてエネルギー:その分子科学 北川 禎三 教 授 39 1992. 7. 7 サッカーボール分子の世界 加藤 立久 助教授 42 1992.11.13 炭酸ガスの化学的な利用法 田中 晃二 教 授 45 1993. 6.22 化学反応はどのように進むか? 正畠 宏祐 助教授 48 1993.10. 1 宇宙にひろがる分子の世界 齋藤 修二 教 授
51 1994. 6.21 分子の動き 伊藤 光男 所 長
92 研究支援等
54 1995. 6.20 生体内で活躍する鉄イオン—国境なき科学の世界— 渡辺 芳人 教 授 57 1996. 6.28 分子を積み上げて超伝導体を作る話 小林 速男 教 授
60 1997. 6.13 生体系と水の分子科学 平田 文男 教 授
63 1998. 6.12
電子シンクロトロン放射光による半導体の超微細加工
—ナノプロセスとナノ化学—(UV S OR 見学)
宇理須恆雄 教 授 66 1999. 6. 8 レーザー光で,何が見える? 何ができる? 猿倉 信彦 助教授 69 2000. 6. 6 マイクロチップレーザーの可能性 平等 拓範 助教授 72 2001. 6. 5 ナノメートルの世界を創る・視る 夛田 博一 助教授 75 2002. 6. 4 クラスターの科学—原子・分子集団が織りなす機能— 佃 達哉 助教授 78 2003. 6.24 科学のフロンティア—ナノサイエンスで何ができるか? 小川 琢治 教 授 81 2004. 6.22 生命をささえる分子の世界—金属酵素のしくみを探る 藤井 浩 助教授 84 2005. 6.28 環境に優しい理想の化学合成 魚住 泰広 教 授 87 2006. 6.20 電気を流す分子性結晶の話 小林 速男 教 授 90 2007. 6.15 光で探る生体分子の形と機能 小澤 岳昌 准教授
4-6-3 小中学校での出前教室
岡崎市内の小中学校を対象に,物理・化学・生物・地学に関わる科学実験や観察を通して,科学への興味・関心を 高めることを目的に,岡崎市教育委員会や各小中学校が企画する理科教育に協力している。
分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。 岡崎市教育委員会(出前授業)
対象校 開催日 テーマ 講 師
六ツ美北中東海中 2002. 1. 25 光学異性体とその活用 魚住 泰広 教 授 東海中 2003. 2. 18 計算機を使って分子を見る 谷村 吉隆 助教授
常磐南小 2005. 2. 7 光の不思議 岡本 裕巳 教 授
東海中 2006. 2. 8 モルフォ蝶とナノ化粧品の秘密 小川 琢治 教 授 美川中 2007. 2. 26 生物から学ぶ光と色 小澤 岳昌 助教授
矢作西小 2007.12. 4 原子の世界 櫻井 英博 准教授
岡崎市立小豆坂小学校(親子おもしろ科学教室)
回 開催日 テーマ 講 師
1 1996.12. 5 極低温の世界(液体窒素) 加藤 清則 技官
3 1997.12. 4 いろいろな光(紫外線、赤外線、レーザー光) 大竹 秀幸 助手
17 2004.11.30 波と粒の話 大森 賢治 教授
23 2007.11.27 身の回りにも不思議はいっぱい 青野 重利 教授
研究支援等 93
4-6-4 職場体験学習
岡崎市内及び近隣の中学校及び高等学校の要請により,職場体験学習「生徒自身が短期間ながらも自ら体験した仕 事と人間関係から希望に満ちた勤労観を育ませ,それを進路選択の一助にしてもらおう」として中・高生の受け入れ に協力している。
期 間 学校名 人 数
2007. 6.13 〜 2007. 6.15 岡崎市立甲山中学校 3
2007. 8. 7 豊田西高等学校 3
2007. 8.22 〜 2007. 8.23 岡崎市立竜海中学校 3 2007.10.17 〜 2007.10.19 豊橋市立中部中学校 1 2008. 1.23 〜 2008. 1.25 岡崎市立竜南中学校 1
4-6-5 その他
(1) おかざき寺子屋教室
(社)岡崎青年会議所との共催で岡崎市内の小学校高学年を対象に,岡崎3機関の研究者が講義・実験を行い,学 校では普段体験できないことを体験してもらい,小学生に科学に対しての夢や憧れを持ってもらうために実施するも のである。1995年より年1回行われ,岡崎3機関の研究所が順に担当していたが,(社)岡崎青年会議所の都合で, 2006年度をもって終了した。
分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。
回 開催日時 会 場 講 師 テーマ
1
1995.11.11(土) 13:00-16:00
岡崎地域職業訓練センター
井口 洋夫 名誉教授 加藤 立久 助教授
めざそう理科博士
2
1996.10.26(土) 12:30-15:00
岡崎商工会議所中ホール 鹿野田一司 助教授 低温物理学実験
5
1999.10.23(土) 13:30-16:00
岡崎コンファレンスセンター 分子科学研究所
谷村 吉隆 助教授 目指せ! 科学者
8
2002.10.19(土) 14:00-16:30
分子科学研究所 魚住 泰広 教 授 僕も私も名探偵
11
2005. 5.29(日) 14:00-16:30
山手3号館大会議室 宇理須恆雄 教 授
アトム誕生
—ナノテクノロジーの世界— 備 考
参加者:小学校5〜6年生 40〜50名程度
(2) 中学校理科副教材の作成
岡崎市・岡崎市教育委員会・理科教育振興協会の要請により,市内の中学生に,岡崎3機関の研究内容を知らせる ことで,生徒の自然科学に対する興味,関心を高めることを目的とした,理科副教材の作成に協力している。一般公 開を行った研究所が,翌年に協力し作成することが慣例になっている。作成にあたっては,各項目ごとに市内中学校 の理科担当教諭及び中学生徒2名程度が,分子科学研究所の担当教官を訪問して,インタビューを行い,両者が協力 して,資料を作成する。
94 研究支援等
中学校理科副教材(冊子)
「分子のしくみ」 1998年9月発行
中学校理科副教材(パネル)
「分子で見る物質の世界」、「光で分子を見る」、「鏡に映った形の分子(光学異性体)」、
「ナノサイエンス 10億分の1の世界」 2001年10月作成
(3) 岡崎市小中学校理科作品展
2007年10月7日の日曜日,中央総合公園で開催された「岡崎市小中学生理科作品展」に分子研ブースを出展し, パネルによる研究所紹介に加えて,一日実験教室を実施した。見附孝一郎准教授が講師として参加し,色素増感太陽 電池と酸化チタンカラフル塗装の実体験の手伝いをした。小学生から大人まで,多くの参加者に太陽電池を作製して いただき,起電力を競ったり,オルゴールを動作させたりして楽しんでいただいた。この太陽電池は,2枚の導電性 ガラスの一方にハーブティーの色素を沈着させた酸化チタンを付け,他方には鉛筆を塗り付け,それらの間にヨウ素 電解質溶液を挟むことにより容易に作ることができる。動作原理はかなり高度な内容を含むため,すべてを理解して もらうことは困難だったが,全員がその構造の簡単さと性能の高さに驚き,研究所に対する期待や憧れを抱く子供達 もいたようである。